中外日報 1996年(平成8年)11月7日   取材記事より 1/5紙面

本坊使った美術展 京都・善峯寺

好評につき四日延長

  二日から四日までの三日間、「現代仏教美術展」が善峯寺・本妨(掃部光暢住職、 京都市西京区大原野小塩町 七四八)で開かれた。
今展は、寺院を会場にした展覧会で、あるべき場所に ある美術というテーマを 持っていた。
総数約二百点 にもる美術品、厳かな寺院特有の雰囲気、本坊から見える色づいた山々などの諸条件を満たした中での展覧会となった=写真。


参拝客で賑あう会場

 出展したのは、プロの作家として活躍する藤野正観氏(仏画家)、今野祥山氏 (仏像彫刻家)、安房佑紀さん(仏像彫刻家)、加藤和宏氏(陶芸家)、大高義教氏(陶芸家)、安房幸男氏 (陶芸家)、小泉武寛氏(金工師)、中村栄順氏(鍛金師)。

同寺はふだん本坊を公開しておらず今展の為 に初めて、参拝者を招き入れた。
一歩足を踏み入れたとたん、目の前に広がる美の世界に感激する参拝者の姿 が数多くみられた。
出展作家も背段は観る側との直接の交流が少なく、自身の作品に見入る参拝者の姿に、作家としての歓びに包まれていた。
 藤野氏は「自分の作品を 観ていただいて、その方と 話ができる。緊張の連続で したが、これが作家としての醍醐昧だと思います。創 り手にとって、いちばん幸せを感じる時でした。」と話 している。
当初は三日間だけの開催予定だったが、好評につき今月の日祝日(十日、十七日、二十三日、二十四日) の四日間、引き続き開くこととなった。