2020年8月26日 中外日報社 中外日誌より  



仏絵師・藤野正観氏

国宝参考に山越阿弥陀図完成


京都市西京区在住の仏絵師・藤野正観氏はこのほど、浄土宗西山禅林派恵光寺(同市左京区)の「山越阿弥陀図」を 完成させた=写真。
総本山禅林寺(永観堂)が所蔵する「山越阿弥陀図」(国宝)を参考に絹本着色、大和絵の伝統技法を駆使して描き上げた。

 大海原を背景に山のかなたから観音菩薩と勢至菩薩を従え往生者に来迎する様子を描いている。
サイズは幅80cm、高さ120cmで額装後、建設中の会館に祀るという。
 制作期間は約3ヵ月で、藤野氏は「絵描きとして山越阿弥陀図は描き応えのある美しい仏画。
禅林寺本を基にしつつもドラマチックな図様をよりクリアにアレンジし、現代の山越阿弥陀図に仕上げました」と振り返った。
 原図を知る岸野亮淳住職は「亡くなられた方がいらっしゃれば枕経を勤め、阿弥陀様の来迎のお慈悲を受けていただきたい。
来迎した阿弥陀様に見守られ西方浄土にに往生するのだと、皆さまに信心を深めていただけると思います」と、この図への思いを話したという。