2014-08-22 中外日報社 情報アラカルト

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仏絵師・藤野正観さん

 東寺所蔵の『伝真言院両界曼荼羅』(西院曼荼羅・国宝)を参考に、仏絵師・藤野正観氏により描かれた高野山真言宗準別格本山放生寺(東京都新宿区西早稲田)の「両界曼荼羅」がこのほど完成し、29日から31日までの3日間、藤野氏の工房のある「京都・仏画館一階ギャラリー」(京都市西京区)で公開される。工房での完成披露の後、表装されて今秋、放生寺で開眼の予定。
 両界曼荼羅は縦横ともに約1・7bの大きさで、大和絵の技法を駆使して2年かけて完成させた。
藤野氏は下図制作が、最も困難な作業だったと振り返る。繊細に細部まで書き込まれた諸仏の姿や、ぼかしなど独特の彩色方法で描かれた参考図の筆致や彩色方法を綿密に分析し、下図に起した。また剥落部分などは他の曼荼羅図の資料やこれまで積み重ねた経験値で克服し精緻に再現した。
参考図を分析中、精巧で力強い筆致を見るにつけ、「作者に対する尊敬の念が強く沸いてきた」と話した。
藤野氏は制作中の癌入院もあったが、無事復帰。両界曼荼羅の制作を自身の集大成との思いで取り組んだ。
「昔の絵師の技量の確かさに敬服し、もっと精進したい。癌手術を乗り越え、弟子たちと共に無事完成できたこと、そして、披露展開催では放生寺の五島章住職のご厚意に感謝している」と話した。
公開時間は午前9時から午後5時まで、入場無料。場所は京都市西京区松室北河原町161「京都・仏画館」 問い合わせは電話=075(201)3160。

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